レンタルオフィスのデメリット
セキュリティ
ワンフロアに複数のレンタルオフィスが入居する形になるので、防犯上の問題が気になる方も少なくはないかもしれません。
自分のスペースに他人が入れないようにはなっており、鍵をかけておくことで一応安心感は得られますが、多くの人間が出入りするのでセキュリティに不安を感じて
貴重品をデスクの引き出しに収納することに抵抗もありそうです。
専有スペースのオフィスといっても完全に部屋にはなっていなかったり、薄いパーテーションで仕切られているだけだったりなので、
プライバシーもセキュリティも万全ではないところがデメリットとなります。
賃貸のオフィスなら完全に独立した部屋の中でお仕事をするので、騒音もそれほど大きくはないですし、出掛けるときは鍵をかけておけば、
よほどのことがない限り機密情報が外部に洩れることもないでしょう。
でも簡易的な壁で仕切られているだけのレンタルオフィスでは、外からの声も耳に入ってきますし、中で会話していたらその声はオフィスの外にも洩れてしまいます。
鍵もそんなに頑丈なタイプではありませんから重要な書類を保管するのも不安ですし、暗証番号を入力するだけのロックだと他人に知られてしまったら
いつでも自由に出入りされるので、不安は募るばかりです。
共有スペースが広い分セキュリティーも心配になるので、大切な情報を扱う業務を行うのであれば、レンタルオフィスはやや不向きかもしれません。
増改築が出来ない
言葉通りレンタルされるオフィスですので、使い勝手を良くしたいからと改築をすることはほぼ不可能な契約になっています。
最初から設置されている家具を使うように決められていたりと、好きなように改造をすることも調度品を入れ換えることも禁じられており、
あくまでそこにあるスペースと設備の中で業務を行わなければいけないため、自分のカラーを反映させたオフィス作りをすることが不可能、そこに不満を持つ方もいらっしゃります。
空間が狭いから本棚を捨てたい、リフォームして屋根裏部屋を造りたい、そんな希望は叶えられないので、事務所そのものの発展性はほとんどありません。
このおじいちゃんの形見のデスクを使いたい、と管理会社に直談判しても、運用上の問題で却下されることになるでしょう。
現在レンタルしている者が退去した時に原状復帰させられなくなるようでは困るからで、そのサイクルが短いレンタルオフィスでは大掛かりな増改築はご法度なのです。
手狭になってきたからと倉庫を持ち込むスペースもありませんし、会社が発展する予定ならば長くはそこに居座れないかもしれないのはデメリットです。
とはいえ状況が変わったら同フロアの広いスペースに引越しなり隣の駅の賃貸オフィスに引越しなりすればいいだけの話なので、
軌道に乗るまで短期的に利用するつもりならばコスト的にも広すぎないレンタルオフィスは最適でしょう。
ただいつまでもその場にいたまま従業員を増やそうとするのは無理目な話なので、その点は理解しておきましょう。
対外的な信用
手軽に借りられるレンタルオフィスを活動拠点にしている企業は、どうしても信用の面では劣ってしまうのでそれもデメリットになります。
社員がひとりふたりで狭いレンタルオフィスを利用している企業は、まだ駆け出しでやる気はあるかもしれないけどいつなくなるか分からない、
近いうちに会社を畳んでしまうかもしれない、そう思われても仕方がありません。
安定している会社なら単独で事務所を構えているだろう、それが出来ない小さな会社は取引先としてはやや不安だ、自社のリスクを考えると深く関わるのは危険だ、
そういったことを相手に思わせてしまうかもしれないのです。
会社の運営資金に余裕があれば確かに賃貸オフィスで伸び伸びと活動するでしょうし、もっともな言い分なので反論しようがありません。
コスト削減以外の理由でレンタルオフィスを利用していらっしゃる企業もあるのですが、そこに理解を示す方は現在ではまだまだ少数なのです。
ほとんどのビジネスマンは「レンタルオフィスね、あまり余裕の無い会社なのかな?夜逃げされたら大変だし積極的に取引するのは控えよう」と考えます。
実際に多くのレンタルオフィサーは起業間もないヒヨッコで、いつ倒産するのかわからない緊張感を絶えず漂わせています。
それが事業の拡大に少なからず影響を与えてしまうので、対外的な信用が大切な業種ならデメリットとして捉えておきましょう。